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肌にあるしみをなかったことに
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しみ治療
2019.09.11
これまでより一歩踏み込んだエイジングケアを考えるとき、美容皮膚科という選択肢が思い浮かぶかもしれません。
その際、美容皮膚科で受ける最初の治療として多くの人が選択する治療はしみに対する治療であることが多い傾向があります。その理由として、しみは多くの人が悩む症状であることはもちろん、「しみはレーザーで取れる」という解決策が一般的に浸透していることにもあるのではないでしょうか。
しかし、しみ治療はレーザーを当てるだけで、簡単にぽろっと取れるほど単純なものではありません。しみにも個性があり、しみにあったベストな治療法の選択が必要です。
しみの原因は紫外線? しみができるまでのメカニズム
そもそもしみはどうやって肌にできるのでしょうか? しみと呼ばれる状態は、部分的にメラニン色素が過剰になっている状態です。メラニンとは表皮の一番奥のメラノサイトで作られる、黒褐色の色素です。人間の肌は皮膚にメラニンの色が付くことで、紫外線が体内に入り込まないように防御しています。
しかし防御しきれない量の紫外線を浴びたり、摩擦や熱といった刺激を受けるとメラノサイトが活性化し、メラニンが一気に増えることになります。刺激がなくなればその数は減りますが、年齢を重ねるごとに元に戻りきらないメラノサイトがメラニンを作り続けたり、表皮の奥にたまって排出されないものも出てきます。その過剰となっているメラニンがしみになるのです。しみ治療はたまっているメラニンを取り除き、作られすぎているメラニンの増産を抑えることでしみを改善できる可能性があるのです。
しみには多くの種類がある
ただし、勘違いしてはいけないのはどんなしみでも同じ治療で、そして1度の治療で解消できるわけではないということです。意識されることは少ないけれど、しみにはさまざまな種類があり、医学的に細かく分類すると20種類を超えるほどあります。それぞれできた原因や性質が違うため、そのしみにあった治療をするのがしみ解消には効果が見込めます。数多いしみの中には皮膚の専門医でも見分けるのが難しいしみもあり、しみ治療に経験が多い医師による的確な判断が治療の第一歩になります。
代表的なしみは以下の種類があります。
日光性(老人性)色素斑
日紫外線が原因のしみです。老人性色素斑とも呼ばれていますが、若くても紫外線を浴びる量が多いと発生します。
照射治療で効果が出やすいしみですが、レーザーを用いる場合は、炎症後色素沈着が起きないようパワーを調整することが重要です。メラニンが表皮より深部に落ちている場合は、真皮まで届くQスイッチレーザーを使います。レーザー照射後に一旦しみが濃くなることがありますが、時間の経過とともに薄くなります。
肝斑
頬や額、口の周囲などに左右対象にできるモヤモヤしたしみです。女性ホルモンが影響していると言われていますが、原因は解明しきれていません。肝斑は熱や刺激で悪化するため、強いレーザーやIPLを当てると炎症を起こして色が濃くなります。QスイッチYAGレーザーやピコレーザーによるレーザートーニングなどの刺激に少ないレーザー照射で色を抜いていく方法が有効とされています。
雀卵斑(そばかす)
刺激がなくても現れる、生まれつきのしみ鼻や両頬に細かく点々と現れます。照射治療で改善できます。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
メラニンが皮膚の深部である真皮にたまっているために青黒く見える青あざ。真皮まで届くQスイッチレーザーで治療ができます。
炎症後色素沈着
やけど、けが、虫刺さされ、慢性的な刺激メラニンが沈着している状態です。飲み薬や塗り薬で炎症を抑える治療、照射法を組み合わせて治療を行います。
美容皮膚科でのしみ治療にはどんなものがある?
しみ治療にはレーザー照射という認識が一般的にも浸透していますが、顔のしみや色むらは、いろいろな種類の、性質の違うしみが混在していることが多いため、顔全体に同じレーザーを照射すると改善しないしみや逆に濃くなるしみが出てきます。しみ治療は単純にレーザー照射だけを行うわけではありません。レーザー治療を含め、しみ治療にはどんな種類があるのでしょうか?
Qスイッチルビーレーザー(The Ruby ZI)
メラニン吸収率が高い、しみ治療のゴールデンスタンダードです。
Qスイッチアレキサンドライトレーザー(アコレード)
異常なメラニンだけにレーザーが反応します。Qスイッチとロングパルスの切り替えができ、連続照射も可能です。しみ、刺青除去などに効果が見込めます。
QスイッチYAGレーザー(レブライトSI)
肝斑治療に効果のあるQスイッチYAGレーザー「メドライトC6」の上位機種です。難しい肝斑治療に効果が望めます。
QスイッチYAGレーザー(トライビームプレミアム)
肝斑治療に最適なモードを持つQスイッチYAGレーザーです。
光治療器(BBL)
波長を変更するフィルターがついていて、フィルターを瞬時に変更することでさまざまな治療をすることができます。しみ・そばかすのメラニン治療、色黒・肝斑の改善、ニキビ治療など幅広い肌質改善が叶います。
ピコレーザー(ピコウェイ)
従来のレーザーがナノ秒(10億分の1秒)であるのに対し、ピコレーザーはピコ秒(1兆分の1秒)の単位に縮小されています。単位が縮小されたことでメラニンだけを超ピンポイントに壊すことができます。薄いしみにも効果があります。
その他にも、薄いしみにも反応する光治療器「フォトシルクプラス」、日本人の肌研究をベースに開発された「ライムライト」、多機能型フラクショナル炭酸ガスレーザー「コア」、ビタミンCを浸透させる「イオン導入」や電気の力で美白剤を導入できる「メソダーム」など他にも数多くの治療器や治療方法があり、治療と併用する内服薬やドクターズコスメもあります。
治療法の見極めと照射技術が重要
しみに対応する手段はたくさんありますが、効果を出すために肝心なのはどの手段を選択するべきかという治療法の見極めと、そして適切に照射する技術にあります。それぞれの皮膚の質によって機器の反応は異なり、顔にしみが混在している場合は異なる機器の組み合わせが必要な場合もあります。しみ治療は経過を見ながら腰を据えた治療が必要なのです。
しみ治療は難しく時間のかかる治療です。「しみを取る」というよりは、じっくり「しみを抜く」という考え方が必要のため、クリニックを選ぶ際にはしみ治療に精通していて、じっくり時間をかけてしみ治療に向き合ってくれる医師がいる病院を選ぶことが大切です。
しみ治療は、比較的簡単な治療に思われがちですが、じつは難しく正しい診断があって初めて効果が出る治療です。そのことを忘れずに治療に取り組みましょう。
- Doctor comment
- ドクターコメント
おとなのしみは複雑です。当院では複雑なしみにも対応できるように、そして痛みや治療期間など患者様の希望に添えるように、多くの治療機器を揃えています。場合によっては治療中に機器を変えることや、美白剤を使うことも行いながら、少しずつ丁寧にしみ治療を行なっています。
- Treatment collection
- 施術コレクション
ピコフェイシャル(ピコレーザー)
従来のレーザーがナノ秒(10億分の一秒)なのに対して、ピコレーザーはピコ秒(一兆分の一秒)の単位に縮小されたレーザーです。ごく短い時間に強いエネルギーを出すことができるため、健康な皮膚はそのまま、メラニンだけをピンポイントに破壊することができます。これまでのレーザーに比べ「早く」「優しい」治療が可能です。
この記事の監修
クロスクリニック銀座 石川浩一院長
プロフィール
- 経歴
- 1988年 防衛医科大学校卒業
- 1992年 防衛医科大学校病院救急部形成外科勤務
- 1994年 自衛隊中央病院形成外科・国家公務員等共済組合
連合会三宿病院形成外科医長 - 1995年 東京女子医科大学第二病院形成外科助手、医局長
- 1998年 クロスクリニック開業
- 2014年 クロスクリニック銀座開院
- 資格
- 日本形成外科学会認定・形成外科専門医
- サーマクール認定医
- 所属学会
- 日本形成外科学会会員
- 日本レーザー医学会会員
- 日本美容外科学会会員
- 日本マイクロサージャリー学会会員
- 日本臨床皮膚外科学会会員
- 日本医学脱毛学会会員
- 日本肥満学会会員