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しわ治療の効果について考える!
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しわ治療
2019.08.07
顔の見た目年齢を引き上げる「しわ」。セルフケアだけでは進行を遅らせることはできても、解消することはとても難しいものです。そんなとき味方になってくれるのが美容皮膚科ですが、いざ「しわ治療」を受けたいと思っても、本当にしわが解消されるのか、自然で若々しい肌に戻せるのか、しわ治療に対する効果が気になるのではないでしょうか? しわ治療の方法とその効果について詳しく探ってみましょう。
しわには種類がある
しわ治療を始める際、知っておきたいのはしわには種類があり(医学的分類ではありません)、そのしわの種類にあった治療方法があるということです。そのため最初に医療機関で自分のしわはどんなしわで、どんな治療が向くのか診察してもらう必要があります。
乾燥じわ
表皮の潤い不足で弾力が低下したことによって起こるしわ
表情じわ
表情のクセによって目元や眉間、額にできるしわ
たるみじわ
皮膚のたるみに脂肪の重さが加わって下垂して現れるしわ
しぼみじわ
脂肪の減少と皮膚の弾力低下で現れるしわ
乾燥じわはごく初期のしわで、化粧水などの保湿ケアなどで解消できることもあります。しかし他のしわは、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を生み出す線維芽細胞の働きが加齢などの理由で悪くなったことが大きな原因のため、保湿ケアだけでの効果はあまり期待できません。美容皮膚科で受けるしわ治療にはいくつか選択肢がありますが、効果がわかりやすい治療の一つにボトックス注射があります。
しわに合わせた効果的な施術を考える
治療の第一選択肢、ボトックス注射
ボトックス注射とは、A型ボツリヌストキンシン製剤を注入し、表情筋の動きを抑えしわをできにくくする治療法です。
表情筋は、近くにある神経アセチルコリンという指令物質を受け取って収縮しますが、ボツリヌストキンシンはアセチルコリンの放出を阻害します。そのことにより、表情筋の動きが抑えられ、しわがよりにくくなるのです。そのためしわの溝がなくなったり、浅くなったりします。
効果を大きく感じるのは表情グセによってできたしわです。笑った時の目尻のしわ、表情を寄せるクセでできた眉間のしわ、額の横じわなどに適した治療です。ただし眼瞼下垂症でまぶたが開きにくい場合には額には使用できません。
しわを目立たなくするには、ヒアルロン酸注入
表情じわと違い、無表情のときでもすでに現れているしわ、老化によってできた深いしわ、段差のしわにはボトックス注射よりもヒアルロン酸注入が向いています。
ヒアルロン酸注入とは、本来体内で作られるヒアルロン酸が減少したことでできたしわを目立たなくするヒアルロン酸注入材を用いた注射です。ヒアルロン酸には粘度が異なるさまざまな種類があるため、深いしわを埋めたり、ハリが低下して細かい凹凸ができている部分をボリュームアップさせたりすることも望めます。
効果を大きく感じるのは、ほうれい線や口元、目元の段差しわです。もともと効果に即効性があり、効果がわかりやすい治療の一つです。
たるみ治療で効果が望めるしわ
たるみが原因として、しわに関連するたるみじわは、ボトックスやヒアルロン酸の注入だけでは改善しきれない、しわもあります。ほうれい線もたるんだ頬の下垂が原因で頬に段差が生じている場合もあります。そのためたるみ治療の施術をすることが解消の近道です。
表情筋の動きがダメージとなり、たるみの一因となっている場合はボトックスの注入も有効ですが、近年たるみ治療で多く使用されているのは治療機を使った照射治療です。照射治療にも種類があり、中でもサーマクール、ウルセラが人気です。機器によって発する熱エネルギーも作用する部分は異なりますが、線維芽細胞に刺激を与えコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった有効成分の生成を促します。
たるみ治療で効果を感じやすいしわは、皮膚や筋肉の下垂でできたたるみじわ、しぼみじわです。またたるみ治療に併用してボトックスやヒアルロン酸といった注入治療を行うことでより、効果を実感しやすくなります。
しわの治療は自身の血液を利用するPRP(多血症板血漿)注入や水光注射など他にも色々ありますが、しわの状態、希望などを考慮の上治療法を選びます。また照射治療に注入治療を組み合わせる他にも、ボトックス注射とヒアルロン酸注射など注入治療同士を組み合わせるのもより美しく仕上げるコツです。
施術名 | 効果が見込めるしわ | 効果が見込める期間 |
---|---|---|
ホームケア | 乾燥しわ | |
ボトックス注射 | 表情じわ | 3〜6ヶ月 |
ヒアルロン注射 | 頬・こめかみのくぼみ ほうれい線・目の下 |
3〜6ヶ月 |
照射治療 | 小じわ たるみじわ しぼみじわ |
6ヶ月〜1年 (照射機種によって異なります) |
効果的な治療のために必要なこと
しわの治療に効果を求める際には、しわにあった治療法の選択、治療法の組み合わせ方など、どんな治療が向いているのか最初の診断がまず大切です。人の顔は、表情筋のつき方や量、動き方は個人差があります。注入治療を行う際は、注入場所の見極め、注入技術で結果が左右されます。そのためしわが解消されても不自然さが残ったり、表情が作りづらくなるような違和感があっては効果があったとは言えません。
しわ治療は手術と違い注射だけで済むことが多く、どこの病院でも行いやすい治療の一つではありますが、何と言っても医師の技術で大きく左右されやすい治療でもあります。顔の筋肉や脂肪の構造を熟知し、しわ治療の症例が多い信頼のできる医師を探すことが、効果的な治療への第一歩です。
せっかくしわ治療を受けるなら、効果を求めるのは当然です。慎重な病院選びでしわ治療の効果をグッとあげたいものです。
- Doctor comment
- ドクターコメント
しわをキレイに解消するのも大切ですが、それで表情が作りにくくなったり、飲食に影響が出ては仕方がありません。当院では話す・食べる機能に影響せず、自然な表情ができて、その上でしわを解消する治療を行なっています。また注入時は痛みを抑えられるように細い針を使用し、ゆっくり丁寧に注入することを心がけています。
- Treatment collection
- 施術コレクション
ボトックス・ゼオミン注射
ボトックスとはボツリヌス菌から毒性を抜いてある製剤です。当院で使用している製剤、ボトックスビスタは厚生労働省で、ゼオミンはFDAで承認されています。ボトックスを注入することで過剰な筋肉の動きと緊張を和らげ額や眉間、眉尻などの表情じわを改善します。効果は3ヶ月〜半年で薄れますので、キープするためには年に2〜3回の注入がおすすめです。
この記事の監修
クロスクリニック銀座 石川浩一院長
プロフィール
- 経歴
- 1988年 防衛医科大学校卒業
- 1992年 防衛医科大学校病院救急部形成外科勤務
- 1994年 自衛隊中央病院形成外科・国家公務員等共済組合
連合会三宿病院形成外科医長 - 1995年 東京女子医科大学第二病院形成外科助手、医局長
- 1998年 クロスクリニック開業
- 2014年 クロスクリニック銀座開院
- 資格
- 日本形成外科学会認定・形成外科専門医
- サーマクール認定医
- 所属学会
- 日本形成外科学会会員
- 日本レーザー医学会会員
- 日本美容外科学会会員
- 日本マイクロサージャリー学会会員
- 日本臨床皮膚外科学会会員
- 日本医学脱毛学会会員
- 日本肥満学会会員